Journey

昔、世界一周を終えた友人が「荷物はバックパック1つで生きていけるんだ」と言っていた。何気ない一言だったけれど、ふとしたときに思い出す。人生は旅のようだ、なんて聞き慣れた言葉だけど、きっと本当にそうで、何もかも全てを背負って生きていくことは無理なんだと思う。

 

この一年間のわたしを振り返ると、とにかくよく泣いた。喜怒哀楽がそこまで激しくない上に、感情表現もあまり得意ではないので、自分でもびっくり。心が千切れそうになる、こんなにも揺さぶられることがあるなんて、辛いことではあったけれど、自分の知らない自分がまだあったとなぜだか穏やかな喜びもある。

 

去年の今頃こころをときめかせたひとは今はもう連絡も取っていないし、会ったこともなかったひとが腹を割って話せる友人になっていたりする。1年はあっという間のようで意外と長くて、気がつけばなにもかも変わっている。だって1年で結婚も出産もできるよ、なんて。かと思えば、いつまでも変わらない関係もあって、それには少し安心する。

 

欲しいもの全ては手に入らないけれど、必要なものはきっと必ず手に入れている。今わたしが欲しいものは、もうそれが純粋な気持ちなのか、固執しすぎてエゴになってしまっているのか分からない。なんとかなるなんて楽天的な気持ちではいられないし、縋るようになんとかなってくれと願うしかない。読めない未来は少し怖くて、それでも少しだけ期待して、来年の今頃にはできればわたしが望むなら形で叶っていますように。