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つらいことの起こらない、波風の立たない世界で暮らせるのなら、そうやって生きていきたいのだけど、辛いことは起きるから、そのかわり絶対に楽しいことも起きるから、いつの日かの甘みを噛みしめるため、閉じ込める必要があるのだと思う。覚悟をしなければ、それらはいつまでも終わらない。温かい場所に居たいけれど、ぬるま湯はいつかきっと冷めてしまうから、最後の瞬間だけ、チクっとした痛みに耐えられれば、いつでも取り出せるから、生きていくために、つらい日常を乗り越えるために、特別な非日常をわざと作る。さよならをする。忘れるんじゃない、いつの日かのために、心の奥の奥のほうにしまい込む。そして、ちょっとしたおまけで、大きすぎて見えない何かを、誰かの言葉で教えてもらえたら、気づかせてもらえたら、考えるきっかけがもらえたら、きっとそれがわたしを幸せにさせるのだろう。